05 DRIES VAN NOTEN ドリス ヴァン ノッテン

フィナーレでは棒状のバルーンが膨らみ、モデルたちが一斉に登場。迫力ある圧巻の演出だった。
多様なエレガンスの形。
〈ドリス ヴァン ノッテン〉の舞台は中古車ディーラーが所有する立体駐車場の最上階。パリの街を一望できる場所で披露されたのは「Unusual elegance」をキーワードにしたコレクション。夜の男、カウボーイ、ペテン師、空想家など異なる男性像を描いた、型にはまらないスタイルが提案されました。ショーの冒頭に登場したのは、フォーマルな格好にワンピース的なものやキャミソール的なものを合わせたモデルたち。マスキュリンとフェミニンを混在させた自由な着こなしは、80年代の英国のクリエイティブ集団「BAFFALO」のビジュアルを参考につくられています。さらに、第二次世界大戦中にパリで流行したメンズファッション「Zazou」もイメージソースのひとつで、このブランドが得意とするスーツスタイルに反映されています。ショーは後半になるにつれて、ストリート感やスポーティさを備えた服をリズムよく展開。このブランドにしては珍しいレタリング使いも印象的。フィナーレにはモデルたちが一斉に登場、客席の後ろに設置された棒状のバルーンが膨らみ、2年半ぶりのショーは幕を閉じました。