若い子たちにテーラードの魅力を知ってほしい。
ーこの人はやたら色気があって、おしゃれですね。


金子:ここはスーチングのブランド〈ハズバンズ パリ(HUSBANDS PARIS)〉です。若い子たちが彼に憧れてこのブランドで働いているんです。カジュアルなTシャツにスーツを合わせるみたいな感じで、大人はもちろんですけど、若い子にも売れているスーツブランド。そういうのって最近聞かないなと思って。すごくスタイリッシュでした。

ー金子さんも小木基史さんや、〈サイ(Scye)〉の宮原秀晃さんと一緒に「The GENTELMAN IN THE PARLOUR」というスーツのレーベルをやられてますよね。
金子:そうなんです。「The GENTELMAN IN THE PARLOUR」も若い子たちにテーラードの魅力を知ってほしいというのが裏テーマとしてあって。パリに来て、そのポテンシャルをすごく感じましたね。ストリート系の男の子たちもこのブランドのおじさんに惹かれてみんなスーツを着ていたので。
ーこちらは「レショップ」でもおなじみの〈ベルナール ザンス(BERNARD ZINS)〉ですね。


金子:じつはいま、某パンツブランドと〈〇〇・パリ〉っていうのを企画しているんです。今回の出張のなかでもビッグなコラボです。本当はそのデザイナーの方もここに立ち会うはずだったんですが、残念ながら来れず、ZOOMでミーティングに参加しました。

金子:この人はブランドの社長さんです。パンツブランドがパンツブランドでパンツをつくったら、というのがユニークだなと思って企画しました。どういう方向性になるかまだわからないんですけど、絶賛企画中ですね。
ーこちらの女性も会いたかった人のひとりでしょうか?

金子:〈マリアルドマン(MARIA RUDMAN)〉のマリアさんです。サーミ族というフィンランドの部族の人たちによるアクセサリーブランドなんですが、むかし「エディフィス」で取り扱っていたんですよ。日本国内ではメンズで僕がいちばん最初に扱ったと思うんですけど(笑)。


金子:もう17年ほど音沙汰がなかったんですが、今回は“人”がテーマということで、改めてアポを入れたら昔話に花が咲いてしまいました。壁にかかったベルトはむかし僕が無理を言ってつくってもらったもので、久々にお会いしてこうやって飾られているのを見て感慨深くなったり。
ーマリアさんがひとりでつくっているんですか?

金子:マリアさんはデザイナーで、フィンランドのサーミ族のひとたちがアイテムをつくってます。だけど、そこも高齢化でどんどん職人さんが減っているそうです。おそらくお店で見たことある人も多いと思うんですが、細かなオーダーが増えてしまったようで管理しきれなくなってしまったようです。 なので、いまは知っている人としかコラボレーションしないというスタイルでやっているそうなんですよ。そこに僕も便乗させてもらいました。ここではトナカイのファーのバッグや、彼女がかけているポーチをオーダーしましたね。
ということで、パリはこのくらいですね。
