カングーは相棒感があって、すごくいいクルマ。

カングーに戻り、キャンプ道具の中からバーナーを取り出してお湯を沸かし、コーヒーを淹れます。
「いつもはボートなのでタックルボックスとかいろいろ用意して、10本くらい竿を持って試しながらやるんですけど、今回は完全に準備不足でしたね。自分がやりたいことを優先してしまって反省です」

あたたかいコーヒーを飲みながら1日を振り返る雄大さん。頭の中はすでに次の釣りのことでいっぱいの様子です。
「釣れなかったときの帰り道はいつも、『今度はこうするぞ』って次のことばかり考えてしまいますね。それでいろんな作戦を立てて次回に臨むんです。それで家に帰ると、道具を片付けつつ、クルマの中で考えた作戦に合わせて手が勝手に準備をしちゃってるんですよ(笑)。そうするとまたすぐに行きたくなっちゃって、次の休みでまた早起きをするんです」
そうして何度も釣りにでかけてしまうのは、「やっぱり魚を釣ったときの快感が忘れられないから」だと雄大さんは続けます。
「釣りを再開したことによって、自分の中で自然に対する向き合い方が確実に変わりました。なんというか、心がすごく豊かになった気がするんです。自然や魚という生き物と対峙することで、いろいろ頭の中で考えるし、さらに自然をリスペクトするようになるし、子供の頃抱いていたようなピュアな気持ちも思い出す。いろいろ学ぶことが多くて、それが身になることで、考え方もすごく柔軟になったように思います。これを突き詰めたいという気持ちがあるから、やめられないんです」



再び都内に向けて走り出す「カングー」。結果は悔しさが残りますが、そのプロセスはとても充実していた1日。自然と対峙しながら心身ともにリセットして、再び日常へと戻ります。
「子供が大きくなったら『カングー』に乗ってキャンプや釣りにでかけたいです。こういうクルマって、子供がよろこびそうじゃないですか。荷物をたくさん乗っけられて、『でかけるぞ!』っていう気持ちを後押ししてくれる。なんだか相棒感があって、すごくいいクルマだなと思いますね」