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着ぶくれ手帖カルチャーをなくしたものづくり。金子恵治が手がけるAORのリミックス。
Keiji Kaneko × Adult Oriented Robes

着ぶくれ手帖
カルチャーをなくしたものづくり。金子恵治が手がけるAORのリミックス。

「ぼくはファッションの人間であって、カルチャーの人間ではない。だから〈AOR〉はずっと憧れだったんです」。「着ぶくれ手帖」を主宰する金子恵治さんがそんなことを呟きます。今回取り扱うのは、〈アダルトオリエンテッドローブス(Adult Oriented Robes)〉の服。このブランドのデザイナーである弓削匠さんの背景には音楽が流れています。だからこそ「手が出せなかった」と金子さん。それならば、ということでつくられたのが「AOR Classics」と名付けられたコレクション。カジュアルな〈AOR〉の服をイチから見直し、クラシックなテーラードの手法を取り入れて“リミックス”した今作。その裏側にはどんなストーリーがあるのでしょうか? 金子さん、弓削さんに、思う存分語ってもらいましょう。

やりたいことをやってもらう。完全にリミックスの考え方。

ー実際のアイテムをご覧になられておふたりとも満足されている様子ですが、振り返ってみていかがですか?

金子: 弓削さんとはちょこちょこ連絡を取ったり、イベントの打ち合わせと称して食事に行ったりして、コミュニケーションを細かく取っていたんです。知り合ったのはほんの数年前ですけど、会うたびに弓削さんのことがだんだんわかってきて、〈AOR〉の服を着てみたいっていう気持ちがどんどん募ってきていたんですよ。

弓削: 一緒に飲んでいるときに、金子さんが〈AOR〉を着れない理由を直接話してくれたりして、服好き代表としての意見をくれたりするんです。

金子: ぼく自身も「ここをアレンジしたら着られる」っていうポイントが見えていたというのがあって、それがちゃんと形になって、間違ってなかったというのを確認できました(笑)。

弓削: 「AOR Classics」でルックも撮りたいですね。

ーセットで着てトータルでコーディネートを楽しむのも良さそうですが、ワードローブにある手持ちの服ともマッチしそうですよね。

金子: そうですね。さっき弓削さんが話していた若かりし頃の着こなしみたいに、〈コム デ ギャルソン〉のシャツに〈リーバイス®〉の「501®」を合わせて、その上から「AOR Classics」のジャケットかブレザーを羽織ってみてもいいと思います。

ー今後もこの取り組みは続きそうですか?

金子: フォルムとか細かなディテールは〈AOR〉のデザインがオリジナルとしてあるんですけど、工場とか、生産管理などは別の背景でやらせてもらってて。完全に金子マターでつくっているんです。それがすごく楽しくて、もっといろいろやりたいですね。

弓削 ぼくはあえてなにも言わず、金子さんのやりたいことをやってもらうっていう(笑)。完全にリミックスの考え方。是非次回も一緒につくりましょう!

AOR Classics

INFORMATION

Adult Oriented Rooms

080‐4874‐5038

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