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古着サミット10 業界屈指の偏狂家たちによる古着放談。
Houyhnhnm Vintage Summit.

古着サミット10 業界屈指の偏狂家たちによる古着放談。

2014年2月にスタートしたヴィンテージ偏狂家たちの古着放談「古着サミット」も、遂に第10弾! 記念すべき今回も、今野智弘、栗原道彦、藤原裕、阿部孝史のレギュラーメンバー4名をお迎えし、それぞれがいま興味を惹かれるアイテムをご紹介します。彼らがいま注目しているアイテムとは?

「この冬、お世話になります」

1972y N-3B TYPE JACKET

今野:このN-3Bタイプのジャケットも「ボウ&アロー」の遠藤さんに譲っていただきました。

藤原:何年代くらい?

栗原:コントラクトナンバー内の「72」って数字が製造年ぽいね。自分の推測だけど、軍への納入品ではないと思う。

今野:そうかもね。たまに見かけるデニムバージョンのN-3Bと同じように民間用として納入メーカーが作ったのかもしれない。

阿部:タグにメーカーは書かれてないね。

栗原:型番の末尾にHと書かれてて、このアルファベットって仕様が変更される毎にAから進んでいくんですが、N-3Bだと72年度契約分の納入品もHなのでそこの辻褄は合ってますね。

阿部:例えばなんだけど、民間用を軍の人が着ることってあるの?

今野:あると思いますよ。ワッペンついて、背中にステンシルが吹かれてるんだけど、ボディは民間だったり。多分PX(基地内の売店)で買ったのかもしれませんね。

栗原:そういったものはUSネイビー(海軍)でよく見かけますね。民間のシャンブレーシャツだったりデニムトラウザーズだったり。海軍は海路での移動が多いので、他の軍と違って装備品等の補給が難しかったんじゃないですか? で、その分こういった民間品の着用が許されていたんじゃないかと。きっとレギュレーションがゆるかったんだと思います。

阿部:自分で買ってたってこと?

栗原:そうだと思います。おそらくですけど、階級によってそのゆるさは変わっていたんじゃないですかね。

阿部:緩いのは階級の高い人?それとも低い人?

今野:階級の高い人の方が自由度は高かったと思います。

栗原:ぼくが昔鳶をやっていた時、新入りは七分のニッカしか履いちゃいけなかったのと同じですね(笑)。

今野:以前このタイプの黄色も見かけたんだけど、それは買えなかったんだよね。オレンジに関しては、以前インスピレーション(アメリカで開催されているヴィンテージの祭典)で見たときは、コンディションが悪いのに700ドルくらいしていて…。今回はコンディションもよく、プライスもインスピレーションより安かったので、いい買い物ができたかなと。

阿部:オレンジや黄色以外の色もあったのかな?

栗原:80年代以降になるとタウンユース向けにいろんな色が出始めますけど、70年代だとどうなんですかね。

今野:見たことはないんだけど、白があるらしく、いつか手に入れたいかな。

阿部:ちなみにこのオレンジは実際に着てるの?

今野:いえ、実はこれ買ったばかりなんです。オレンジを着るってなかなかの勇気がいるのかと思って、家で袖を通してみたんですけど、意外と気にならなかったので、この冬着てみようと思ってます。

栗原:ちょうど今日オレンジのジャケットを着ているぼくから言わせてもらうと、これを着て街を歩いてると知らない人からすっごい見られます(笑)。

一同:(笑)。

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