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古着サミット10 業界屈指の偏狂家たちによる古着放談。
Houyhnhnm Vintage Summit.

古着サミット10 業界屈指の偏狂家たちによる古着放談。

2014年2月にスタートしたヴィンテージ偏狂家たちの古着放談「古着サミット」も、遂に第10弾! 記念すべき今回も、今野智弘、栗原道彦、藤原裕、阿部孝史のレギュラーメンバー4名をお迎えし、それぞれがいま興味を惹かれるアイテムをご紹介します。彼らがいま注目しているアイテムとは?

「80年代は、良い意味でサンプリングが雑で面白い」

1980’s RALPH LAUREN M-51 TYPE COAT、1980’s L.L.Bean SHAWL COLLAR DENIM JACKET、1980’s NEWMAN M-65 TYPE DENIM JACKET

栗原:続いて、80年代頃にヴィンテージからサンプリングされて作られたアイテムです。

藤原:このデニムのM-65、いいね!

今野:かっこいいね。なんていうブランド?

栗原:〈ニュウマン(NEWMAN)〉っていうブランドです。

阿部:てことは、新宿だ(笑)。

栗原:いえ、フランスです(笑)。

阿部:買ったのはアメリカ?

栗原:はい。何度かこのブランドのアイテムを見たことあるんですが、洒落たデザインが多いです。

今野:このデニムの色もいいよね。

栗原:ユーロっぽくないですよね。デザインもエポーレットがなかったり、変に余計なディテールも付け足されてないので気に入ってます。

阿部:洗練されてる感じがするよね。

栗原:そうですね。近年に作られているレプリカは勿論オリジナルに忠実じゃないですか。でもこの時代にヴィンテージからサンプリングされたものは全然忠実に再現してないし、良い意味で雑なんです。

阿部:この時代からサンプリングされていたデザインがあるっていうのも面白いよね。

栗原:はい。この〈エルエルビーン〉のショールカラーのジャケットも、USネイビーのものがモチーフだと思うんですけど、いかにもヴィンテージって感じではないですよね。この時代ならではのグリーンのデニムだったり、同ブランドらしいカフのデザインだったり。それが良かったりするんですよね。

今野:確かにこの時代の〈エルエルビーン〉ってバットダイデニムをよく使ってるよね。

栗原:そうですね。

藤原:この〈ラルフ ローレン〉のM-51型コート、いいねぇ。

今野:この左裾に入った赤い刺繍が可愛いよね。

栗原:90年代に流行ったビッグポロは、裾の刺繍が右側ですよね。これは左側なんです。

藤原:ほんとだ。

栗原:表記サイズのわりに作りが小さいのでさっきの〈エルエルビーン〉同様レディースかもしれないけど、この時代に異素材でM-51を作っていたラルフってやっぱり流石だなと。

今野:本家のM-51のようにライナーはつけられる(笑)?

栗原:残念ながら、つけられません(笑)。

阿部:前からこういったちょっと変化球的なアイテムは好きだったの?

栗原:いえ、以前はあまり興味ありませんでしたね。仕事で卸をするようになってから、特にここ4、5年くらいでだと思います。卸用の商材として80~90年代のものをより多く見ることで、徐々に興味を持ち始めました。以前はやっぱり古くないものやレディースものは全く琴線に触れなかったんですけど、視野を広げてみるとこの年代でも面白いデザインがあるんだなって思うようになりました。

藤原:クリ君が見てる量って尋常じゃないよね。

栗原:量で言えば同業者の中ではかなり見てる方だと思うよ。でもその分、昔みたいにこれは何処で誰からいくらで買ったとかは全然覚えてない(笑)。

阿部:いまだに一人で買い付けに行って、昼間はひたすらスリフトやディーラーを回ってるんだから、凄いよね。

栗原:この辺のアイテムって決して高いわけでもないですが、ネットで探して買えるようなものでもないんです。となるとぼくのように足で探すしかないんですよね。自分ならではの視点で人と被らないものを見つけるのも古着の醍醐味ですよね。

今野:ほんとそうだよね。

栗原:着ているとたまに「そのジャケット、何?」とか聞かれたりするんですけど、それはそれでちょっと嬉しいです(笑)。

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