第四講
阿部孝史

‘30s CARHARTT SHOP COAT
阿部:裕くんから引き続き、ぼくもひとつめはハートマーク時代の〈カーハート〉のショップコートを。数ヶ月前に高円寺の古着屋で見つけたもので、状態も状態なのでまあまあお手頃だったんだけど、ちょっとだけ気になることがあり…。
藤原:何でしょう?
阿部:いや、どっちでもイイっちゃイイんだけど、アメリカではなく、カナダの〈カーハート〉かなと。’30年代だとすでにトロント工場が設立されていたり、アメリカだけでなくカナダ製の商品も市場に出回っていたと思うんだよね。
藤原:当時からかなり規模の大きな会社だったようですし、ブランドが設立されたデトロイト以外にもニューヨーク、トロント、それにヨーロッパにも進出していたみたいですよね。


阿部:そうそう。これより少し後のバンダナにENGLANDって記載があるものがあって、ちょっと気になるなと。でも、ユニオンチケット(当時の労働組合加盟ブランド、あるいは推奨ブランド製品に縫い付けられた布製チケット)もしっかりあるからアメリカかカナダのいずれかだとは思うんだけど…。
栗原:ぜんぜんどっちでもよくないじゃないですか(笑)。
阿部:(笑)でも、アメリカ製だったら、なお嬉しいかなと。


栗原:他ブランドだとディテールやタグの表記などでアメリカ製か他国製か判断できる(〈リーバイス〉など)ものも中にはありますが、〈カーハート〉は確かに判別基準があまり明確にされていないですよね。
阿部:やっぱりそうなんだね。
今野:カナダメイドとわかっていたら買わなかったんですか?
阿部:いや、買ってた(笑)。