CLOSE
FEATURE
古着サミット11 業界屈指の偏狂家たちによる古着放談。
Houyhnhnm Vintage Summit.

古着サミット11 業界屈指の偏狂家たちによる古着放談。

約1年の時を経てヴィンテージ偏狂家たちの古着放談「古着サミット」が、お久しぶりに戻って参りました。今野智弘、栗原道彦、藤原裕、阿部孝史と、シーンでも随一のパーソナルコレクションと圧倒的な知識を誇るレギュラーメンバー4名を迎え、それぞれが最近気になるアイテムやカテゴリー、あるいはメンバーたちと共有したいトピックを持ち込み、いつも通りの脱線も交えながら徹底的に深堀りしていただきます。

  • Photo_Fumihiko Ikemoto
  • Text_Takehiro Hakusui
  • Edit_Yosuke Ishii

「あまりにイレギュラーな個体なので、みんなで検証したくて」

‘60s LEVI’S 501ZXX or 501Z

栗原:3つめは特に裕に見てほしくて持ってきたんだけど。パッチは欠損、ボタン裏の刻印はJ、ヒップポケットには隠しリベットあり、なのにジッパーはタロンの42という代物で。

藤原:確かにイレギュラーですね。すべて過渡期という条件付きなら「501ZXX」「501Z」「501Z-502」の3パターンの可能性が考えられるワケですが、仕様的に「501Z-502」の線は薄いのかなと。

阿部:どうして?

藤原:ボタン裏の刻印と、いわゆる“タイプもの”と呼ばれるパッチに記されたAやSやFなどのアルファベットですが、かつては品質などと言われていたこれらの文字も、じつはすべて製造工場を意味してたと最近になってわかってきたんですね。

阿部:特定はできるの?

藤原:まだすべてを特定するまでには至ってないのですが、工場を意味していることは裏取りできています。さらに各工場によって製造されていたモデルや表記が異なることも徐々にわかりつつあるんです。個人的にその線は薄いと考えている「501Z-502」は、基本的にはボタン裏K刻印の工場で概ね製造されていたことがわかっています。つまり、ボタン裏がJ刻印の時点で他の工場で作られている可能性が高いと。

今野:すごいね。ということは、まったく同じ年代のものでも製造工場によってモデル名が異なる可能性もあるってこと?

藤原:そういう可能性もなくはないですね。ですから、栗くんが持ってきたモデルはヒップポケットに隠しリベットがあることから「501ZXX」、あるいは過渡期の「501Z」どちらかの可能性が高いのですが、ジッパーがタロンの42ってところがかなりイレギュラーなんですよね。

栗原:だよね。

藤原:ただ、個人的な見解としては「501ZXX」の可能性もゼロとは言えないながらも、限りなく「501Z」寄りなんじゃないかと。

阿部:すごい興味深い話なんだけど、聞きながら頭の中が混乱してきた(笑)。

このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事#古着サミット

もっと見る