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古着サミット11 業界屈指の偏狂家たちによる古着放談。
Houyhnhnm Vintage Summit.

古着サミット11 業界屈指の偏狂家たちによる古着放談。

約1年の時を経てヴィンテージ偏狂家たちの古着放談「古着サミット」が、お久しぶりに戻って参りました。今野智弘、栗原道彦、藤原裕、阿部孝史と、シーンでも随一のパーソナルコレクションと圧倒的な知識を誇るレギュラーメンバー4名を迎え、それぞれが最近気になるアイテムやカテゴリー、あるいはメンバーたちと共有したいトピックを持ち込み、いつも通りの脱線も交えながら徹底的に深堀りしていただきます。

  • Photo_Fumihiko Ikemoto
  • Text_Takehiro Hakusui
  • Edit_Yosuke Ishii

第一講
今野智弘

「久しぶりに革パンな気分。でも、直球よりはやっぱり変化球」

‘80s ADIDAS LEATHER TRACK SUIT

今野:まずひとつめは、〈アディダス〉のレザーセットアップ。正しくはレザートラックスーツと呼ぶべきかもですが。

藤原:特に黒×黒は、ここ数年まったく見かけなくなりましたよね。

今野:そうだよね。確か、黒×黒、黒×赤、赤×赤の3種類あったと記憶していて。RUN DMCのシグネチャーモデルとしてリリースされた’80年代のオリジナル、しかも黒×黒のセットアップを20年近く探していました。

阿部:2000年代に1回復刻されなかったっけ?

今野:はい。じつはあの復刻以前に千葉の古着屋で背中に落書きされたオリジナルのジャケットのみを見かけたんですが、買おうか悩んでいたら一瞬で売れてしまって。それ以来、まったく出会えてなかったんですよ。

阿部:なるほどね。セットだといくらぐらいが相場なの?

栗原:年々上がってますね。海外コレクターの間でも人気のあるアイテムですし、そもそも玉数が少ないので上下揃っていたらコンディション次第では10万台後半ってとこですかね。

阿部:へえー。特にセットアップが高価ってこと?

栗原:発売当時の製造、販売数はジャケット、パンツどちらが多かったかわかりませんが、こと中古市場に限るならパンツの方が見なくなくなってきています。それに、ここ数年はレザーだけでなく普通のATP(Association for Tennis Professionals=男子プロテニス協会 ── 1970年代半ば頃から1980年代にかけてATPのオフィシャルサプライヤーだった〈アディダス〉からリリースされたジャージー素材のテニス用セットアップ。ラグランスリーブ、襟なし仕様が一般的)タイプでも、珍しめの配色だとフリマアプリ等でジャケットのみが5万オーバーとかで売れてたりもしますね。

阿部:たとえば?

栗原:白×白とか、黒×金とか、黒×銀とか。あとゴールドとかですかね。こちらも同じくパンツの方が見かけないイメージです。

阿部:そうなんだね。今野くんはセットアップで着てるの?

今野:最近また久しぶりに革パンな気分だったので倉庫から引っ張り出してみたんですが、いわゆる直球な革パンだとやっぱり若干違って(笑)。そんなタイミングでこのセットアップを手に入れたので、パンツのみをカジュアルダウンして革パンとして取り入れてみたり。もちろんセットアップとしても何度か着ていますよ。前よりもセットアップ自体にあまり抵抗がなくなってきましたし、いまとなってはちょっと新鮮だなと。

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