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古着サミット11 業界屈指の偏狂家たちによる古着放談。
Houyhnhnm Vintage Summit.

古着サミット11 業界屈指の偏狂家たちによる古着放談。

約1年の時を経てヴィンテージ偏狂家たちの古着放談「古着サミット」が、お久しぶりに戻って参りました。今野智弘、栗原道彦、藤原裕、阿部孝史と、シーンでも随一のパーソナルコレクションと圧倒的な知識を誇るレギュラーメンバー4名を迎え、それぞれが最近気になるアイテムやカテゴリー、あるいはメンバーたちと共有したいトピックを持ち込み、いつも通りの脱線も交えながら徹底的に深堀りしていただきます。

  • Photo_Fumihiko Ikemoto
  • Text_Takehiro Hakusui
  • Edit_Yosuke Ishii

「王道ではないものの、これもれっきとした“珍ピオン”」

‘90s IRREGULAR SWEAT & T-SHIRT

藤原:よく見ると袖や肩にうっすらと何か書いてあるけど…。何て書いてあるんですかね?

栗原:そもそもちゃんとした文章にはなってないし、おそらくその生地の管理ナンバーかなにか、生地反の隅に直接書いていたものを、間違えてその個所も含めて縫製してしまったんじゃないかと。

今野:ようは本来なら製品として市場に出回るはずのないB品ってこと?

栗原:おそらくは。最初に気がついた、というか初めて出会ったのは3年くらい前のことで。その時は誰かが製品に書いたんだと思っていたんですね。でも、その最初に出会った個体も、次に出会った個体も共に未使用品だったんですよ。で、それらの中にはこのTシャツと同じように文字が縫製に掛かっているものもあり、やはり縫製前に書かれていたことがわかって。それから意識的にチェックするようになったら、スウェットだけでなくTシャツなんかも出てきて。

今野:へえー。ということは、古着として市場に出回ったものではなく、工場から直接買い上げたものなのかもね。

栗原:そうですね。これらはラグ屋で出たデッドの塊に混ざっていたものなんですが、おそらくは閉鎖された工場、もしくはB品等を取り扱う業者からドネーションされたものなんじゃないかと思います。

阿部:年代はバラバラ?

栗原:体感的には’90年代のものが多いというか、それより旧い時代のものにはまだ出会ってないですね。

阿部:裕くんならいくらくらい付ける?

藤原:どうでしょう。スエットの方はいわゆる“珍ピオン”としてマニア的な価値もありますから、ざっと5万ってところでしょうか。

阿部:えっ! ホントに?

藤原:はい。デニムに置き換えて考えても、こういったB品的な仕様がやがては希少価値へと繋がりますからね。

阿部:確かに。

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