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BACK TO BAG vol.3時代を思惟する、バッグについての10の事柄。
MONTHLY JOURNAL OCT.2020

BACK TO BAG vol.3
時代を思惟する、バッグについての10の事柄。

手回り品や仕事道具を持ち運ぶバッグは、誰もがひとつは必ず持っている必需品。ただ、機能性やデザイン性、サイズ感など、どこにウエイトを置くのかは、そのひとのライフスタイルや時代性によって変化しています。そこで、今回はバッグにまつわる、いま注目すべきトピックを10項目に絞って取り上げました。一口にバッグと言っても多種多様。バッグというモノを通して、現代、そしてこれからの生活様式が見えてくるかもしれません。

  • Photo_Yuji Sato
  • Styling_Atsuo Izumi
  • Text_Shogo Komatsu
  • Edit_Shuhei Wakiyama

TOPICS 6 26年目の〈マスターピース〉が自社ファクトリー「BASE OSAKA」の規模を拡大。

昨年25周年の節目を迎えた〈マスターピース(master-piece)〉。26年目となる今年は、大阪に構える自社ファクトリー「BASE OSAKA(ベース大阪)」を移転拡大したり、新しいロゴを発表したりと、これまで以上に積極的な動きを見せています。その理由をディレクターに就任した古家幸樹さんに話を聞いてみると、そこにはメイド・イン・ジャパンにこだわり続ける〈マスターピース〉らしい想いが詰まっていました。合わせて、今季おすすめバッグもご紹介いただいたので要チェックを。

ー バッグブランド〈ヌンク(NUNC)〉を立ち上げた古家さんと水野美智雄さんの2人が、〈マスターピース〉のディレクターに就任しました。改めまして、おめでとうございます。

古家: ありがとうございます。〈マスターピース〉が昨年25周年を迎え、そのタイミングでお声がけいただき着任しました。僕たちが最初にやったのは、ロゴの統一です。もともと〈マスターピース〉には、バッグに合わせたデザインのロゴが30種類くらい存在していたんですよ。でも、それが原因で、〈マスターピース〉のバッグと認識されていない場合もあって。ですから、今シーズンよりロゴを統一しました。デザインを受け入れてもらうために、控えめな主張のピスネームにロゴを落とし込んでいます。

ー 今後ブランドが目指すことはなんですか?

古家: 高品質な日本製のバッグを提供する次のステップとして、“マスターピース・クオリティ”を追求していきます。それは、都市生活のなかでの使いやすさを追求した結果生まれる機能美のことです。そして、トータルバッグブランドとしての立ち位置を確立したいと思っています。バッグを使うすべてのひとが、より快適な生活を送れるようなプロダクトの提供を考えていて、いままでとは違った新しいアプローチも考えています。

ー 2008年に大阪と豊岡に自社工場の「BASE」を設立しましたが、「BASE OSAKA」は今年の2月に移転拡大されましたね。その理由は?

古家: ブランド黎明期の生産数が少ない時期から、国内の工場が協力してくれていて、いまも〈マスターピース〉はメイド・イン・ジャパンにこだわり続けています。でも、確かな腕を持つ職人さんたちの高齢化が進んでいて。その職人さんたち縫製技術を未来に継承していくために「BASE OSAKA」を増床し、働いていただく職人さんも増員しました。

ー リニューアルしたことで、他になにか変化がありましたか?

古家: 今までは、工程ごとにフロアが分かれていましたが、すべてをワンフロアに集約しました。以前よりそれぞれの職人が顔を合わせる機会が増えて、コミュニケーションを円滑に取れるようになったのが大きいです。

古家: ここでは、上は70代から下は20代前半の職人さんが働いています。親子ほど年齢が離れていますが、休憩中は中学生のように仲がいいんです(笑)。〈マスターピース〉のバッグはパーツ数が多く、従来のバッグづくりのセオリーから外れている部分もありますが、それに対応してくれるだけあって、年配の職人さんもフレキシブルで若い感性を持っているんですよ。すごい腕前以外に、ユニークな一面も持っていると思います。

ー 今シーズンのおすすめバッグを教えてください。

古家: 今季からラインナップを「プライムカジュアル」と「ネオワーク」の2つのラインに分けました。カジュアルシーンでもビジネスシーンでも、プラスアルファの特別感を感じてもらいたくて、〈マスターピース〉の価格帯で作れる最高のカバンを提供したいと思っています。

〈マスターピース〉バックパック[W30×H45.5×D14cm]¥25,000+TAX
(MSPC 06-6265-2677)

古家: プライムカジュアルからピックアップするのは「age」シリーズのバックパック。ルックスはマスターピースらしくカラフルだったり、異素材を組み合わせていたりしていますが、注目はフロントポケットが取り外せるところ。ビニール袋を装着できるフックが搭載されていて、外出時に出たゴミや汚れたものを分けて収納できるようになっています。外出時のストレスを少しでも軽減したいという思いから生まれたギミックです。

〈マスターピース〉2wayバッグ[W29.5×H40.5×D10.5cm]¥38,000+TAX
(MSPC 06-6265-2677)

古家: 「ネオワーク」からは、「time」というシリーズ。自社開発した「マスターテックス06」という生地をメインに使っているので、撥水性と耐久性に優れています。ささいなことですが、バックパックを使っているビジネスマンが、サイドポケットにペットボトルや折り畳み傘を差し込んでいるのをよく見かけます。私たちとしては、バッグをカッコよく背負ってもらいたいんですが、それじゃあ見栄えが少し悪いように感じてしまいまして。そこで、ポケットに工夫を凝らしました。内側にマチをとっているので、荷物を入れても横が膨らまず、スマートに見せることができます。内装には抗菌素材を使っているのもポイントの一つです。

MSPC

電話:06-6265-2677
ブランドオフィシャルサイト

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